ローカルな治療とホールパーソンな治療

一般的に行われている治療は、いわゆるローカルな治療と呼ばれています。それはたとえば膝に痛みがある場合は膝周辺のことだけを考え、またその周辺の解剖学だけを考えて治療をすることです。ひざの軟骨がすり減っている、膝の靭帯が緊張を起こしている。それに対処するなどであります。

一見それでいいように思えますが実は体というものはすべてつながっています。膝の痛みは本当にその部分だけの問題なのか?こう考えた場合ホールパーソンの考えが出てきます。ホールパーソンつまり全体治療のことであります。
ホールパーソンの考えですと痛みを出す元の原因は膝以外の場にありその歪が膝に出ていると考えます。均整マニュアルセラピーでは、立った姿勢でその人によって重心がかかっている場所が決まってきます。たとえば前に重心が来ている人はつま先、膝、股関節、みぞおち、大胸筋、前頭部、背中ですとC4,T5、L1、S4に重心が来てその部分が硬くなっています。それが原因で前屈がしづらくなっています。
そういった人が今膝に痛みがある場合はまず、体全体のゆがみを整えなければなりません。前屈ができませんのでそれをやりやすくすることがゆがみをとることなのです。
歪みをとるためには先ほど重心のかかった部位の緊張をほどけばいいのです、そうしますと前屈がやりやすくなります。歪みが取れますと引っ張られていた部分がなくなりますので膝の痛みも楽になるわけです。膝に限らずこの人が調子が悪くなったときに一番最初に行うことは全体のゆがみをとることです。すなわち重心部分の緊張をとることなのです。そうしますとさまざまな症状が早く改善いたします。
これがわかるとローカルな治療がいかに非効率かわかるでしょう。